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[ 1]生涯スポーツとしてのトライアスロン(1) [13]ピンチをチャンスに
[ 2]生涯スポーツとしてのトライアスロン(2) [14]スイムもナンバで
[ 3]ナンバ歩き [15]トライアスリートの菜食主義
[ 4]ナンバについて [16]菜食のすすめ
[ 5]ナンバ歩きの実践 [17]トライアスロンが教えてくれたこと
[ 6]競技志向の落とし穴 [18]生きる力を養うトライアスロン
[ 7]みなさん、国体に参加しましょう [19]100歳でも現役のコツ
[ 8]今年の宮古島、そして淡路大会 [20]生活に役立てるトライアスロン
[ 9]自転車通勤の極意 [21]高齢者のトライアスロン
[10]トライアスロンを人生の黄金期に活かす [22]トライアスリートは求道家なのか
[11]田山さんワールドカップ優勝とYao Logic [23]科学的に解明される魂とは
[12]転機を迎えて
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[6]競技志向の落とし穴

ナンバについては中休みして本題「生涯スポーツとしてのトライアスロン」に戻ります。最近ある方から私と同年代のトライアスリートたちが5人ガンで、1人が心臓麻痺で死んだと聞き、鉄人と言われる人たちなのに「何でやネン、もったいないことや」と思いました。ただでさえトライアスロン人口が減りつつあるときに、仲間を6人も失なったことは大変な損失です。トライアスロンは本来健康に良い3つの有酸素運動を組み合わせた健康志向のために生まれた筈です。忙しい生活の中で自分の都合の良い時間に他人の干渉を受けず、一人黙々と打ち込める良さがあり、内省的に自分と向き合うのに最適です。さらに私としては日常生活で生かせる自転車が団塊世代に普及し、全国を四国88ヶ所のお遍路道のようにチャリンコ道が簡易宿でつながれば、老化防止で医療費は激減し、エコロジーと都市生活の融合、健康自立の素晴らしい脱クルマ社会になると期待しています。

1960年代のアメリカでは、車社会の弊害で足腰の弱い高齢者が増えた対策にランニングが有効であると分かりボストン、NYなど大都市で市民マラソンが始まりました。楽しくゆっくり走るファンラン、踊りながら健康になろうとエアロビクスダンスなども生まれました。競技志向優先になると時間内に完走しなければ恥だとか些細な事に捉われ、他人と比較したり世間の評価を気にする、それがストレスになり心身の調和を失って疲労が重なり体に悪い活性酸素がたまるということになりがちです。日本の為にと追い込まれて自殺した儒教的な円谷選手時代は昔のこと、自分のために楽しむQちゃんやオリンピックで好成績を出すようになった最近の若者は道教的になり意識が変わってきたと云われています。しかし相変わらず日本では制限時間で打ち切り、コースに残った選手を切り捨てる都市型マラソンやトライアスロン大会ばかりです。

競技志向が強くなるとどうしてもトレーニングの時間が多くなり、家族との時間も犠牲になるのではないでしょうか? 家族の理解があると思っていても、気づかぬ内に精神的な負い目となったり、心身のケアが疎かになり、病気やケガを呼ぶ遠因になります。私の場合も心拍数42/分の維持や年代別入賞に捉われていたりでしたが、大震災のお陰でそのトラウマから抜け出ることができました。震災後はトレーニングできる環境がなくなり、そこで体力を有効利用するために兵ト協が引越しボランティアを組織し、1人住まいでお困りの方や高齢者の引越しをお手伝いできました。こうして自己中心型から抜け出し志を高く保つための工夫を日常的にしようとトレーニングの有効利用を真剣に考えました。出来る限り通勤とか近隣の移動にはMTBを利用する。通勤時間がトレーニング時間となり、込んだ電車や車に乗らなくて済み、無駄な付き合いや寄り道もなくなり、不要な情報(通勤中の様々な誘惑なども)に触れる事もなく、バイクに乗ると即仕事のことを忘れアスリート思考(右脳)に切り替わり、都会生活でのバイクの達人になり、汗をかいて帰えってすぐの風呂、軽いストレッチ、旨いビールと食事、そして快眠。これだけで十分に宮古島大会が完走できる体力も維持できてトライアスリートとしての現役を維持。1石何鳥にもなる時間の合理的な有効利用がストレスフリーのライフスタイルとなります。マイカーを持たなくなると年間100万円くらいの節約にもなります。

私がトライアスロンを始めた22年前、ハワイ・アイアンマン5回優勝のデイブ・スコット著「トライアスロン」が唯一の入門書で実に名著でした。例えばトレーニング法や運動生理学など以外に食事の項目では菜食が紹介され、私もサラダ、ヨーグルト、ローファット牛乳、シリアル食を一日一食実践して血液のサラサラ状態がランで体を軽し持久力が生まれることを実感しました。日本に来る外人選手もベジタリアンが多く、彼らの健康管理や競技生活に真摯に取り組む姿勢に見習うべき所がありました。外食文化花盛りのグルメ日本では誘惑が多すぎて、現在の玄米菜食へと切り替えるにはかなり抵抗があり時間はかかりました。特に繊維質の多い玄米を主食にすると排便がよくなりキレ痔が治ったのには説得力がありました。これで体の血液をサラサラにするという意識を持つことは重要な要素で、例外もありますが腸の長い日本人には、体内で腐敗しやすい肉食は控えめにしたほうが良く、血糖値や血圧を自己管理する養生法としての認識が必要だと実感できたのです。外食するとアルコールや糖分の多い食品が多く、油断するとかなり多く摂取してしまうので、血糖値を上げ糖尿が心配です。会社勤めですので外では何でも食べてますが、家庭では有機農法の野菜など共同購入して玄米菜食を中心にしています。

世界で最も料理法が豊富で贅沢なグルメ大国に加え、甘いお菓子、飲み物も多く肥満が増えています。世界中から食料を輸入し、飽食を煽り、食べ残しの生ゴミ大国になり、生活習慣病で医療費無駄使いの悪循環。新しい食品やサプリメントの開発、売らんが為のもっともらしい栄養学がテレビ、新聞や雑誌から流され、私達を洗脳し撹乱します。米国流の栄養剤、栄養補助食品や、一日30品目は本当に必要なのか。健康を害する落とし穴は多種多様でどこで遭遇するか予知不能。不運の事故もあるし、生活環境、人間関係、食事など油断できません。ライフスタイルや運動習慣の大切さを省みず、楽な方に流され、気がついたときには手遅れで医者通い。残業、土日出勤、少ない休暇、そんな事をゆっくり考える暇もユトリもなく、とにかく忙しすぎて大会出場を断念する人も多い現状で、トライアスロンの受難の時代でしょう。だからこそトライアスロン・ライフを実践し健康管理をしてほしいのです。大会に出られなくても諦めずに「健康志向」でRun,Bike,Swimの3種目を日常生活に上手に組込めば、それで十分健康管理でき、いつでも大会に出場できるはず。こうした実践者が増えればライフスタイルの改善や生涯スポーツとしてトライアスロンはもっとも都市生活者向きと評価され愛される時代がくるはずです。
(2005年8月記)

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