機関誌 第1号 平成7年7月10日発行

 

「阪神大震災を記録しつづける会」の発会と 出版記念会(写真) 開く


 199年5月28日(日)神戸市中央区のサンボーホールで、発会式と『阪神 大震災・被災した私たちの記録』の出版記念会を催しました。
 この集いには顧問の先生方と、手記の募集、翻訳、編集にご協力頂いたボラ ンティア、投稿者のうち手記を本に採用させていただいた方々をご招待しました 。開催予定は午後1時でしたが、早い方は1時間も前からお集まりくださり、参加者は100人を超えました。


 「未来の被災者」へのメッセージを残そう
      高森一徳代表あいさつ

 都市直下型大地震は今後、日本国内だけでなく、環太平洋の国々のどこで起 こっても不思議はありません。このような大地震が起きると、どのような被害や後遺症が出、どのように復興して行くのか。私たちは、その記録をとり続け、日本だけでなく世界へも発信し、未来に残そうと考えました。
 しかしながら、私どもの呼びかけは、いわば、肉親をなくされた、ご自身が傷付いた、あるいは自宅が全壊した、職場がなくなった……、このような大きな被害を受けられた方々にも、「未来の被災者」に対するメッセージを発してくだ さいとお願いするものです。
 にもかかわらず、皆様のご協力で240通もの手記が寄せられました。年齢 は5歳から85歳、国籍は13カ国、お住まいも避難所や被災地はもとより、近畿 、中国、関東、東北の各県やアジアやアメリカにわたっております。大きな被害 を受けた方々はもちろん、中には「被害が小さくて申し訳ない」という罪悪感について書かれた方もあります。インドネシアに駐在するビジネスマンで、神戸港 がストップしたため大きな被害を受けた方もあります。改めてこの地震の影響の大きさを知らされました。
 記録を単に残すのではなく、「記録しつづける」のは大変な作業です。しか し、手記に添えられた何通かのお手紙に、「お陰で心の整理がついた」「学校の作文以来、はじめて文章を書く機会を提供してくれてありがたかった」「今後も書き続ける」とお書きくださったのを拝見し、大変励まされました。
 この2カ月ほど、世間の注目はオウム事件に寄せられています。これからも 関心はますます、阪神大震災から遠のいていくでしょう。しかし、地震からある程度時間が経過したために出てくる記録もあるはずです。これからも記録を集め 、合わせて物の復興だけではなく心の復興の記録も残して行ければと考えており ます。今後ともよろしくお願い申し上げます。

                ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 挨拶の後、軽食をとりながら歓談しましたが、ほとんどの方が初対面にもか かわらず、大震災という強烈な共通体験があるため、 活発な交流(写真) が見られました。
最後に顧問の先生方から、記録し続ける意義についてのお言葉をいただきまし た。


 各賞の発表

 『阪神大震災・被災した私たちの記録』の編集責任者の小橋繁好さんから、 手記の各賞を発表していただきました。(敬称略)

 <最優秀賞> 20万円

ピーター・フィリップス 「州兵はどこにいるのか」


 <優秀賞>   5万円

史 楽平 「故国の息子」
川田 こずえ 「別れの手紙」
長濱 恵子 「遺体安置所の母」
ピーター・マクミラン 「情けは人のためならず」
大下 三郎 「千百万ルピア」
小西 眞希子 「天国へ行ったのんちゃん」
山中 隆太 「日常性の断絶」


 <特別賞>   5万円

田中 末吉 手記及び口絵写真多数に対し

    ◇
        選考委員(50音順)

 酒 居 淑子(兵庫県立生活科学研究所所長)
 笹 田 信五(医学博士・県立五色県民健康村健康道場長)
 田 中 國夫(追手門学院大学教授・社会心理学)
 田結荘 哲治(近畿大学教授・元朝日新聞日曜版編集長)
 山 田 敬三(神戸大学教授・中国文学)

 

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