産経新聞


2015年1月11日朝刊


「私たちは記録し続けたい」

市民団体10年ぶり手記発行
それぞれの思い胸に


阪神大震災の直後から被災者の手記をまとめた市民団体「阪神大震災を記録しつづける会」が震災20年の17日、10年ぶりに手記集を発行することになり、神戸市内で10日開いた記念会。
亡き伯父の遺志を継ぎ、編集に携わった大阪大学大学院生の高森順子さん(30)=芦屋市や、手記が収録された被災者ら14人のうち11人が出席。
それぞれの経験や、手記に寄せた思いを披露した。

高森さんは「すべてが文学作品のような美しい文章で、突然の困難に見舞われた人がどのように20年を生きてきたかが分かる手記が集まった。
私にとって本当に大切な手記集になりました」と感謝の言葉を述べた。

震災で長男、将君=当時(1)=を亡くした西宮市のたかいちづさんは、今も続く悲しみと、将君の双子の妹がどのように兄の死を受け入れてきたかを手記につづり、
「娘と一緒に成人しているはずの息子に心配をかけないように、これからは笑顔で生きていきたい」
と話した。

長女、希さん=当時(5)=を亡くした神戸市灘区の小西真希子さん(55)は
「(イベントで)私の手記を朗読した人が『希ちゃんは今も震災と、命の大切さを伝える仕事をしてますよ』といってくれたことがうれしかった」
と話した。

同会世話人で、震災で自宅が全焼した同市中央区の綱哲男さん(87)は
「震災20年という年月の受け止め方は被災者それぞれ違う。
災害が残した教訓を生かすため、今後も会の名前通り震災を記録し続けたい」
としている。