(1) 易断とは?


ちょうど落語の「三題噺」のように、易断の課題と太極(タイキョク) 的世界観卦義(カギ)の3つを組み込んだストーリーを創る作業です。

課題の要素の中から、変わるもの(変易)と、変わらぬもの(不易)を見つけ、分かりやすく分析(易簡)し、判断を下します。

(2) 易断の課題


「問題」が合理的思考によっていくつかの「課題」にまで絞り込まれてはいるが、判断に迷う場合、その「課題」が易断の対象となります。

「私の運勢は?」「恋愛運は?」などというのは、それぞれ、「いい運勢だったらいいなあ」、「いい恋愛をしたいなあ」という願望であって、課題ではありません。

課題の前にまず問題があります。問題とは現状が、その人がこうあるべきだと思う状態と違うから発生します。

従って、同じ現象を見ても、ある人にとっては問題でも他の人には問題でないことがあります。

課題とは問題を解決するための方策です。

同じ問題意識を持っていても、課題が違うことがあります。

例えば、「学校が荒れている」というのは「問題」です。

しかし、「米国に比べるとましだ」「はしかのようなものだ」と考える人には問題ではありません。

また、同じ問題意識を持っても、「教師を再教育しなければならない」「親の子供へのしつけが必要だ」「文部省が教育方針を改めるべきだ」と課題も多様です。

「課題」は4つに分類できます。状況判断・計画決定・原因究明・危機分析です。

自分の全知全能を振り絞ってこれらを合理的に考え、その後に易断に臨みます。


(3) 太極(タイキョク) 的世界観

太極マーク 太極マーク

森羅万象が陽と陰の要素によって成り立っているという考え方です。陽は行き着くと陰になり、陰は行き着くと陽になります。

したがって、なにが陽でなにが陰かと分類することはあまり意味がありません。

とはいえ、まず、陽をポジティブ、陰をネガティブと考えると、分かりやすいかもしれません。

何かを得ると、必ず何かを失います。逆に何かを失うと、必ず何かを得ます。

また、陽を変化するもの、陰を変化しないものと考えても結構です。

問題意識は変化の中で起こりますが、その中で変わらぬものもあるはずです。

さらに、陽を顕在化したもの、陰を潜在化しているものとも考えられます。

事故が起こった場合、発生した災害を陽、発生しなかった災害やこれから起こるであろう二次災害を陰と考えます。

このように、太極的世界観は、課題を陽と陰の要素に冷静に分析することによって、日常的思考では、見つけにくいものを浮かび上がらせてくれます。

(4) 卦義


易は宇宙を構成するすべてを、天(テン)、沢(タク)、火(カ) 、雷(ライ)、風(フウ)、水(スイ)、山(サン)、地(チ) の八卦(ハッカ) に分けます。

それを、小成卦(ショウセイカ)と呼びます。

小成卦を2つ組み合わせると大成卦(ダイセイカ) が得られます。

8 x 8 で64通りの大成卦があります。


★卦義を求めるための道具★

筮竹(ゼイチク):竹の棒。50本を使います。

筮筒(ゼイトウ):筮竹を収める竹の筒。

算木(サンギ) :易断を進めるための陰陽を示す角柱。

格台(カクダイ):易断の過程で筮竹を置く台。

日本出版企画で易断具の通信販売をしています。


まず、小成卦を出します。

 1.50本の筮竹を両手で持ち、目を閉じて、テーマを心に描きます。

 2.気持ちが集中したら、筮竹を左手に持ち替えて、右手で50本の中の任意の1本を採り 目を開けて、筮筒に立てます。

 3.再び目を閉じて、両手で49本の筮竹を扇形に開きます。

 4.精神を統一し、右手の親指と人差し指で49本の筮竹を任意の場所で二分割します。

 5.目を開き、右手に残った筮竹を格台に置きます。

 6.格台に置いた筮竹の中から 1本を採り出し、左手の小指と薬指の間に挟みます。

 7.左手に残った筮竹を右手の親指と人差し指で2本ずつ、「春、夏、秋、冬」とつぶや きながら数え、8本ごとに右手に移  し替えます。

 8.最後の左手に残った筮竹の数は、0〜7本となります。

 9.その数に、左手の小指と薬指に挟んだ1本を加えた数が、八卦を示す数です。
  合計数が、
    
    1本なら 天 
   
    2本なら 沢 
    
    3本なら 火 
    
    4本なら 雷 
    
    5本なら 風 
    
    6本なら 水 
    
    7本なら 山 
    
    8本なら 地 

          これで得た小成卦を下卦(ゲカ)と呼びます。

  10. 下卦を算木で表示します。
   
    天は 
   
    沢は 
   
    火は 
   
    雷は 
   
    風は 
   
    水は 
   
    山は 
   
    地は 

   おもしろいことに、この算木の配列は、 を0、 を1とし、3本の算木の()一番上 を2の0乗 、次を2の1乗、一番下を2の2乗 とすると、二進法の0から7を表します。

   これは、9.で説明した数に対応します。

   周易は、ライプニッツが二進法を考えるよりはるか昔に、二進法を使っていたので す。

 11. 3.〜10. の動作を繰り返しもうひとつ小成卦を求めます。

   これで得た卦が、上卦(ジョウカ)です。

 12. 大成卦(ダイセイカ)

   上卦を算木で表示(10. 参照)し、下卦を表示した算木の上(水平方向)に置きま す。

   これで大成卦(ダイセイカ) が得られました。「六十四卦一覧表」から大成卦の卦名 (カメイ) を見つけ、易断のヒントとなる卦義(カギ)が得られます。

 13. 次に変爻(ヘンコウ)を知るために、3.〜6.の操作をします。変爻はテーマが易断の後ど のような推移をたどるかを判断する之卦(シカ)を得るために求めます。

 14. 右手の親指と人差し指で二本ずつ「天、地、人」とつぶやきながら数え、6本ずつ 右手に移し替えます。

 15. 右手に残った数(0〜5)に、左手の小指と薬指に挟んだ一本を加えた数が、変爻 を示す数です。
   
    合計数が

    1本なら 初爻(一爻)

    2本なら 二爻

    3本なら 三爻

    4本なら 四爻

    5本なら 五爻

    6本なら 上爻(六爻)

 16. 下から数えて合計数に当たる数の算木を反転させます。これが之卦です。

「六十四 卦一覧表」から卦名(カメイ) を見つけ、卦義(カギ)を得ます。



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