未来へ

伊藤 未斎
(平成16年12月号)

 今年最後は、「黙示録的」易断のお話しです。
 「黙示文学」はもともとは旧約聖書の『ダニエル書』にあるように、神が選ばれた者に託した預言を記録したものです。新約聖書の「ヨハネの黙示録」もこの形式を踏んでおり、後世の文学だけでなく絵画や思想全般に大きな影響を与えています。
 しかし、現在の知識を反映して、過去の人物に現在を語らせるという側面もあります。そのように正しい預言だから、未来も正しく言い当てるだろうと読者に確信させます。
 したがって、「黙示文学」の真髄は、「温故知新」です。人間の心と営みの形は、進化するものではなく、この数千年間、全く変わっていません。過去と未来は連続しています。
 
 近未来を知るには、過去の似たような経験が大変参考になります。僥倖(ぎょうこう)を期待せず、冷静に過去の歴史と教訓を見つめれば、自ずと選択すべき道が見えてきます。
 問題はそれを粛々(しゅくしゅく)と実行できるかどうか? そこで、易者としてのあなたが試されます。